友とはどういうものだっけ

(自分の中で)すごい仲良かった人が引っ越してから、友達ってどんなんだったか忘れた。どこまで入ってどこを遠慮してどんな言葉の掛け合い遊びしてたかぜんぶ忘れた。
ついでに、自分が何をしたくて何を言いたいのかも忘れた。
彼女はわたしが言うことをいつも笑い飛ばしてくれたから、ぜんぶが本物にならずに済んでいた。どうでもいい冗談や嘘ばかりの悪口を転がすのに乗っかっていくのが本当に楽しかった。人に聞かれたら本当に怒られるような冗談ばかり、つまりそれを悪口と言うのだろうけど、有りもしないことを延々考えては腹を抱えながら笑った。わたしの1の悪口に99の嘘を混ぜ込んでジョークにしてくれた。こんな女の人はこの先そういないだろうなと思う、だから本当に、彼氏みたいだよね。
わたしは彼女に何かをあげれたかな。そもそもむこうはわたしにわたしほどの思い入れはないかもしれないけど、なんていうのか、本当に大切だと思うものが同じだったと思う。そして本当に大切だと思うもののことは口にしないところも同じだった。
むこうの娘さん二人もうちの姉妹と同級生で、みんなボーッとしてたから最後まで仲が良いかどうかわからなかったけど、引っ越す何日か前にコとニはプレゼントをもらい、コはそこで初めて「そういえば引っ越しするんだよね!?」と、友達が引っ越すことを思い出した。ニはわかっていたようで「そうだよ、だからこれもらったの!前から引っ越すって言ってたじゃん!」とコに説明していた。コが「え、いつ!?明日?あさって?どうしよう!友達いなくなっちゃう!」と言って突然ワーワー言い出したので、わたしも小さく「ママもだよ」とつぶやいた。社宅から唯一理解し合える友がいなくなるということは、わたしのこの狭い世界の日常にとっては大変に大きな出来事で、世界が変わってしまうとさえ思えた。だから本当に、彼氏みたいだよね。
わたしの世界はどうなるんですかね…流されないようにしなきゃ…とつい感傷的につぶやくと「そもそも流してくれる勢力があるのか」と言われた。
そういえばありません。勢力どころか友達いないから大丈夫だった!たいして親しくない勢力に勝手に流された気になるとこだったぁ〜アッハッハ!




またいつか。どこかで。