異形の彼氏

好きな人が自分からゆるやかに離れていくとき、自分じゃなきゃだめだったはずが自分以外の人になんとなくやさしくて、そのやさしさは自分も見たことのない空気で、見たことのないような表情や、聞いたことないような単語や文脈や、吐く息とか、自分よりも相手の人のほうが距離は遠いようだけど、自分は知らない距離の取り方とか、気遣いの仕草とか、好きな人の足元から自分の知らない好きな人がもう一人ニョキニョキ生えてきたら、もうきっと恋は終わるんだろう。そのとき確かにすでに私も自分たちの新芽がどうだったかを覚えてないし水をやるのも忘れている。
新しく生えたもう一人の好きな人の新しいメソッドを目の当たりにするのがきっと一番いい。枯れ葉剤なんか撒かれずもっと楽に枯れられると思う。そんで、この先はもう完全に自分の知らない、名前も知らない花か木になればいい。それがいい。


夜中にテレビドラマ見てたら昔の苦しかったことを否応無しにいろいろ思い出してしまい、しかし思い出してうう苦しいと思う半分、そこになんとなく心地良さもあったりして。脳ってどうなってんのー。

三角マグネットと冷蔵庫