夏、夏ね、夏について。

なんていうかー、夏が好きなわけじゃないけど、夏を楽しみたいんだよね私は!冬はきらきらした街を歩きたいけど、夏は大自然に触れたい。夏の夕方はどこにいても素晴らしいんだけど、夏の夕暮れの街は殊に素晴らしい。アスファルトが一日中全力で熱を放出してたような匂いとか、ハイ仕事終わりましたよーと言って定刻で退社してったかのようにふっとほんの少し冷め始めた空気が走る瞬間とか、働いてもないのになんだか一日めいっぱい働いた気になって、いますぐシャワーを浴びたい気もするけど、乾燥した汗が肌を覆ってるのも悪くないかなって気にもなる。きょうはこれで終わり!と一日の終わりを決めてるのは私の中では太陽や木々や大地や海ではなく、街なのである。きょうはジリついてんなーと思いながらノースリーブのまま帽子もかぶらず、カラスが荒らして道路に散乱した生ごみの掃除をしていた。私は先週カラスが生ごみを狙って荒らすのでごみはネットの奥から入れて下さいとこの間の棟掃除の際皆様にその旨お伝えしたんです。ですから私の予想だとこの社宅の住人ではないごみがどげんかなってもなんかそのへんの暇な主婦がどうにかするくらい思っとるか思ってもない、音質にこだわってイヤホンだけは高価なのをした独身男か、既婚男だと思う。なんかやれセカイノオワリとか聴きよると思う。セカイの始まりみたいな顔して。おはようセカイみたいな顔して。そうよあんたの予想通りカラスを気にして何度も窓からゴミ置き場の様子をうかがいながら、あんたが適当にぽーんと出した汚らわしくていかがわしくて卑猥で醜悪な生ごみを太陽に灼かれブチ切れながら掃除しよるのはこの私!お察しの通り暇で暇でゴミとカラスのことしか頭にない、おまえの出した卑猥で醜悪な生ごみから出てきた腐った米粒ひとつ分さえ自分で稼いでもない専業主婦の私です!私のセカイは今ここにあるんですー。
そう、その太陽が灼きつく感覚も嫌いじゃない。3分くらいなら。まったく、夏やね、夏女やね私はって気になる、12月生まれだけど。夏を夏だー!と思いたい。やれアウトドアというジャンルに興じてアレコレ身体を動かすのは億劫だけどその状況にはいたい、まあつまりただ山におりたいのです。それで夏は星が綺麗なので、そして週末は夫の誕生日なので、星を見にいってくる。なんならキャンプしてやってもいいよ〜と言ってみたけど、必死に星空の綺麗なキャンプ場を調べていたのは私だった。うっほほーい。