不幸の雨傘


あと少しで愛する福岡に帰れる。


金曜、冷蔵庫がカラになったので雨ではあったがスーパーに買い物に出かけた。さっさとレジを済ませ出口で傘立てを見たら、あら?自分の傘がない。子どもの傘と並べて立てておいたのに、子どもの傘だけがポツンと残って、自分の傘はどこを探してもない。なんだかよくわからないが、一応お店の人に言わなければ、と、商品管理をしているような中年の眼鏡をかけた男性を見つけたのでその人のところに行き、傘がなくなったことを話した。すると自分がつかまえた人が悪かったのか、ああそうですか…としか言ってくれない。店側に責任はないが、もう少し反応してくれてもいいじゃないかとだんだん腹立ってきて「だからですね、あのですね、盗難に注意!ていう貼り紙でも、し、しといてください!」と捨て台詞のようなものを吐いて店を出た。いっつもなん!いっつもわたし変な人ばっかなん。タクシーの運転手も、バスの運転手も、ただのドライバーも、当たる人は腹立つほど変な人ばっかなん!その上わたしの傘まで取っていきやがって、これ以上この街のどこにいいとこを探せっていうと!?モヤモヤした気持ちで上の子の習い事のお迎えに行って「ママはさっきねぇ、スーパーで買い物して外に出たら傘がなくなってたんだよ!!」と興奮気味に話すと「誰かが間違って持っていったんじゃない?」と言った。「ち、ちがうよ、キラキラの花柄の傘なんだよ(本当はキラキラはないけど)、まちがうはずないんだよ!!」と言うと「もう一回スーパーに見に行ってみたら?」と言われた。なかなかこいつお利口やな、と思いつつ「そ、そうやね」と言い、再度スーパーに赴いて傘立てを探したが、やはりなかった。そこで冷静になって気付いたが、そうか、さっき、傘が出てきたら連絡をくれるよう頼めばよかったんだ、と。それでまだそのスーパーにいたが、車に戻りそのスーパーの電話番号を調べて、電話をかけた。そしたらきちんと話のわかる人が対応してくれたので傘の特徴を話したけど、花柄、としか説明できる特徴がない。そこで思い出したのが、わたしズボラでテキトーなので、傘を買ったとき留め紐に付いてたタグをテキトーに引きちぎって取ったら、値札の紙のとこだけがビリっと取れて、あの、名前はわからんけどよく紙タグをぶら下げてるあの透明の細い硬い紐だけがぷらーんと付いた状態になったんですよね、いやあれ調子いいと一緒に取れるときもあるんですよ。まあ今回は取れなかったなーと思うくらいで別にハサミで切り取ることもせずそのまま使っていたんですけど、それだ!と思ったんです。そのことをお店の人にわかるように説明して、最後にトドメを刺すよう「それがわたしの傘の特徴なんです!」、得意げに言いましたよ。特に反応はなかったけど。特徴の説明できて満足でした。そしたら、さっきわたしが声をかけた店員は誰だったか、名前を覚えてないなら、どんな風貌だったか、そっちのほうを詳しく聞かれた。別にさっきの店員さんの対応については一言も触れてないんだけど。いやまあいいんだけどさぁ。
そんで、傘のことを旦那にも話しておかなければ、と本日あったことを事細かに話したが「でも花柄の傘取ってく人ってどんな人なんやろうね〜」と言ってた。
なんか、なんか、なんか、おまえらみんな違うから!!