ばばーん

愛の神、エロス [DVD]えっとね、まずね、買ったCDのことについて書いてたの、そうするとそれに関連した記事書いてたことを思い出したの、そうすると先にその前の記事上げたほうがいいんじゃないかと思ってそれで下書き見てみたら、前に書いたことを思い出したからってまた書いてやんのー!

前説
だいぶ前に「愛の神、エロス」についてそりゃあ長々と感想を書いたことを思い出したのでせっかくなのでばばーんと上げておく。内容に触れるので怒りっぽい人はなんか怒らないでください。

本題
愛の神、エロスを観た。自分の好きな映画10本に入ると思う。ウォンカーウァイ、スティーヴンソダーバーグ、ミケランンジェロアントニオーニがそれぞれエロスをテーマに撮ったオムニバス。作品の合間にかかるカエターノヴェローゾの音楽と、なんトッティ(すいません)という人の絵、すべてが一貫していた。予告編もイタリア版、アメリカ版、日本版とすべて見てみたけど、日本版のが一番この映画の持つ雰囲気をよくあらわしていたと思う。ただ、邦題に関しては「愛の神」をくっつける必要あったのかなーと。「eros」のほうがよほど観る気になるけどな。邦題についてはいつも思うけど、そんなに無理してひねり出してまでつけないかん?あと、各国いろいろカラーはあると思うけど、予告ムービーって能書きが多いですよね。能書きというか、説明。俳優名とその上にその俳優がこれまでどの映画に出演していたかという情報。それがなければ「期待の新星」と書かれる。それについてもいつも思うけど、どうしてもひねり出さないかんの?そうやって作らなやっぱ客は入らんの?「SOMEWHERE」でスティーヴンドーフの肩書きが「ブレイド」て書かれてるの見ると本当に悲しくなります。
それでも日本版の予告が一番良かったです。
映画として一番親しみを持てたのはやはりウォンカーウァイの「若き仕立屋の恋」、原題「The Hand」。仕立屋がお客さんに恋をする話です。シンプルでとてもわかりやすいストーリーだし色やカメラワークもやっぱ好き。俳優の演技もたまらんし、テーマどおりエロいしね。東洋のエロ文化がよくにじみ出てる。ただアントニオーニを見た後で思うのは、やはりこっちは東アジア圏の人の思うエロスだな、と。わざわざ行為にいたらず手を使うとことか。エロスというかエロ。
スティーヴンソダーバーグのはあれだ、難解なやつだ、数式みたいなやつだ。つまり夢の中で自分が夢を見ている話。主人公は3つの場面にいる。1、現実(未来)の自分、2、夢の中(現在)の自分、3、夢の中で夢を見る(未来)自分。ストーリーは2を主体に進むので設定上2が現在。1を主体に話すと「夢のなかでわたしは精神科医に自分が毎晩見ている夢について相談している。その夢の内容というのが、奥さんがなぜか夢の中では見知らぬ女となってて、エロいムードなんだけど、いつもギリギリのとこで目覚ましが鳴り、夢から覚める。目覚ましのスヌーズ機能についてパッとひらめいたり、おかしいよな、もうすでに発明されてる機能なのに。」2の自分が3の夢の内容を悩みとして、精神科医に相談している夢を1で見ている。ストーリーの展開や時間の使い方など、コミカルでおもしろかったです。ただエロスの観点だと、正直おれにはようわからん。ていうか上の説明そのものも正直ようわからん。おっぱいバーンで入浴シーンやストッキングを太ももまで上げるシーンなど、そういう一コマ一コマのババーンとした直感的なものが至高のエロなのかなと。肉何ポンドみたいな(すいません)。でもそれ抜きにしても、とても清潔で上品で知的な、おもしろい作品です。紙飛行機が何度も何度も飛ぶシーンが好きです。
最後のアントニオーニは、これはもはや見せ場は「美」一点だと思います。自然の美しさ、女体の美しさ、性、つまりこれがエロスそのものだな、と。わたしは日本人だからエロの概念はあってもエロスの概念はあまりないから、この映画を観て、エロスとは、日本人の思うエロとはまったく無関係なものなんだなということがよくわかりました。そこに「恥」や「隠」はないんだよね。配給会社の人が「愛の神」って付けた由縁はここにあるのかもしれない。元々愛の神なんか知らないしね。日本国におらんし(たぶん)。愛って概念そのものが日本では曖昧だしね(たぶん)。イタリア、ヨーロッパのエロス文化をよく学べた作品でした。
とにかく音楽がとってもよくてカエターノヴェローゾがアントニオーニに捧げた、その名も「アントニオーニ」が耳に残っているので買おうかなと思います。この映画のサントラがあったら一番いいのだけど。